ブログ限定の記事です。
注意)
この記事は
気軽にワンマンバンドをやりたいと思ってる方以外は見ないで下さい。
2019年現在、海外を含め
現役でプロとして活躍する
ワンマンバンドプレイヤーは数が少なく
歩くタイプのワンマンバンドに限ればもっと少なくなります。
そういうのもあって
ここ1、2年、多い時で週4人、毎月数人の方から、
「ワンマンバンドしたいのでアドバイスを!!」
というようなメールを、時にはお電話をいただくことが多くなりました。
ワンマンバンドはたくさんの方を笑顔にできる魅力があるので
興味を持っていただき嬉しいです。
僕も1人1人に真摯に返事をしていたのですが
一部ですが
名前を名乗らない方や、質問がフワフワしてる方
アドバイスしても、「でも~でも~」と言う方がいらっしゃるので
ここで
はっきり言わせてください。
ワンマンバンドはもの凄く大変で気軽にはできません!!
ワンマンバンドが一概に大変というわけではないですが
僕に連絡していだだける方は
僕のようなワンマンバンドを目指していると思うので
年100日演奏する僕のケースを例に挙げます。
1
お金がかかる
少なくとも3種類以上は楽器を担当する以上
単体の演奏者の3倍以上かかります。
【ハーモニカ】
年20本以上で8万円。
【ギター】
弦やピック、カポなど消耗品の値段は安いですが
紐で引っ張ったりでギターネックに負荷がかかるので
フレットが必要以上に減ったりでアコギをメンテナンス出したりで年5万円。
【背中ドラム】
スティック、チューニングキーなどいくつか必要なのはもちろん
本体もいろいろ壊れます。ヘッドは特殊だし場合によっては輸入することもあり
5万円以上します。
【マイク】
ワイヤレスやら、ヘッドセットやら、ドラムに付けたりもします。
ミキサーも必要な会場もあり、多い時で5本のワイヤレスマイク使いますので計20万円以上
【アンプ、スピーカー、バッテリー等】
会場の大きさによって2万~8万円の4つのアンプを使い分けてます。
バッテリーも必要。計15万円。
【その他】
ライブハウスなど室内ではなく野外がメインなのもあり
風が強かろうが、多少雨降ってもやりますのでホイッスルやベル、カズ-などもバシバシ壊れます。
5万円
どうですか
背中にドラム背負うだけでしょと思いきや
上記で50万近くします。
0からはじめるとしたら
ここにドラム製作代とギター本体代で80万はいきます。
その覚悟はありますか?
2
練習時間
1つ1つパートの練習時間が必要です
僕の場合、アコギもハーモニカも歌もワンマンバンドはじめる2015年時に
ほぼ0からスタートしましたので
日々練習してました。
ギター弾ける方も、歩いて弾くのは立って弾くのと勝手が違うので
そのための練習していかなければなりません。
もちろん背中ドラム単体での練習時間もあるし
全体での練習も必要。
2年前にくらいに
ワンマンバンドしたい方に無利益で
いろいろ親身にアドバイスしてあげたのですが
「できないじゃないか!!」
ってクレーム吐き捨ててくれた方いましたが
それは練習時間と覚悟が足りないだけです。
3
身体に相当な負荷がかかる
全15Kg背負います。
感覚は人それぞれですが
15kgくらい背負えるでしょ。
と、思った方。
違います。
なぜなら足で踏んで鳴らすたびに
更に下に引っ張ってるからです。
バスドラやスネアを踏む度に自分で自分に上から下にパンチしてるような感じです苦笑。
野外イベントだと坂道もありますし、デコボコ道を歩いたりで神経使います。
更に僕の場合、企業パーティなどで回遊パフォーマンスする時
スティックや背中ドラムが人に当ったり
お食事にカズ-など吹いたときに出る唾がかかると
それだけで次から仕事が呼ばれなくなる可能性もあるので
もの凄く気を付けながら負荷かけています。
まだまだ細かい問題ありますが
お金と時間と体力
この3つ大事な要素だけ書きました。
プロとして
ワンマンバンド大道芸一本でやっていくと決めてからは
雨が降ろうが、1時間50分休み無しの公演だろうが、どんな状況の仕事も
引き受けてきました。
趣味くらいの気持ちならこれはきっとできません。
お金がかかるからこそ、それ以上にお金をいただける依頼を引き受けてます。
弱音吐いたらそこで、マイナスになり
趣味になると思っています。
(もちろん趣味でやるのも素晴らしいですが、趣味にしてはリスクが多ぎる)
身体のことは
僕は捨て身でやってます。
家族やいろんな方から心配していただいたりしますが
プレイヤー本人は
「怪我しちゃうからここでやめよ」
より
「怪我を恐れず、とにかく突き進め!!」
の気持ち100%で取り組んでます。
そうでなきゃ、ここまできていない。
もちろん早寝早起きや食事などに気を使い、時にはお酒も控えたり
たまに整体行ったりしています。
やってる本人くらいは
捨て身の覚悟でいくくらいがちょうどいいと思います。
2018年にナオト・インティライミさんにワンマンバンド大道芸を指導した経験から言わせてもらうと
ナオトさんはもの凄く真剣でした。
ナオトさん以外にも
演出家、マネージャー、音響、ローディー、事務所の皆さんも
この芸を習得できるか、すごく真剣で
僕の情熱に負けないくらいの熱量でした。
もちろんしっかりとお金をいただいたいるのもありますが
自分も魂削ってまで指導、アドバイスしました。
そんなこともあったので
気軽にメッセージ来る方のフワフワした内容に
無利益でちゃんと答えてあげる自分はなんなんだ。
ワンマンバンドの友達できればいいなーくらいに考えてたけど。
これが正しいのか?
そもそも企業秘密的な仕組みまで教えて
無利益は自分ちょっといい人すぎない?とも思ってるのに
それで時間と覚悟がないからできないからってクレーム?
身体壊したらアドバイスした僕にも責任あるのかな。
とかいろいろ考えたら
もう
今後
アドバイスしないことにしました。
以前、お金がたまったら相談させて下さいと言ってくれた方も
礼儀正しく質問してしてくださった方も
アドバイスしたい気持ちもありますが
この記事の内容の通り大変な側面が多大にありますので
ご了承いただけたらと思います。
僕はプレイヤーとして専念します。
ただ、ナオトさんのように
情熱があり、ちゃんとお金をいただける仕事として指導のご依頼される場合のみ
検討します。
それでも、情熱と覚悟がいる芸ですので
引き受けるかはわかりません。
「疲れる」「しんどい」など口に出したくない性格なので
このブログではあまり大変さを書いていなかった自分も悪いですが
とにかくワンマンバンドは見た目以上に大変なのです。
僕は、世界中のワンマンバンドではほぼいない
ドラム奏者出身だったこともあり、アドバイスをもらわず
1年以上研究し
軽く100万円以上の金額を費やし
今のスタイルになり
更にもう1年の下積み期間を経てプロになりました。
この2年間の試行錯誤の経験がいまの情熱、根性の支えになってます。
長くなりましたが
ワンマンバンドやってる方みんな大好きです。
覚悟をもってやってるように思うからです。
少しの期間だったとしても、チャレンジしている姿がかっこいいです。
自分もそうなりたいと思うから
ワンマンバンド大道芸人になったし、常にチャレンジし続けています。
ワンマンバンドは歩くだけではございません。
ギターボーカルの方がスタジオにあるドラムの椅子に座り、バスドラ踏んで歌えば
それも立派なワンマンバンドです。
アコギのボディ叩いてパーカッションにしても弾いてもワンマンバンドです。
ルーパー使ってやるワンマンバンドもかっこいいです。
もちろん大変だからやめよう、と思うのも
大事なことです。
あなたに合ったものが
あなたの情熱に合ったものが
見つかることを願ってます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
油井ジョージ